歩いた道を思い出そうとすると、「右へ曲がって、その次は左」と曲がり方を並べたくなります。今日は別の方法として、目に残った目印を三つ選んでみましょう。大きな建物でなくても、色の違う壁や並んだ植木鉢で十分です。
覚えている順番から始める
帰宅したら、最初に浮かぶ目印を紙に書きます。その前後に何があったかを考え、思い出せるものだけを加えます。正確な距離や方角を無理に埋める必要はありません。「この二つの間はよく覚えていない」と残すことも、記憶を調べる一部です。
目印には、自分だけに通じる名前と、他の人にも伝わりやすい説明を分けて付けると便利です。「いつもの角」だけでなく、「歩道側に丸い鉢が三つ見えた角」と書けば、後でどの場面を指したのか確認しやすくなります。ただし、数や色に自信がなければ、その点も書き添えましょう。
観察の地図として使う
目印を線でつないでも、それは正確な案内図とは限りません。人に道順を教えるためではなく、自分がどこに注意を向けていたかを振り返る図として使います。実際の移動には、現在の道路状況や適切な地図を確認してください。
次に同じ道を歩くときは、記憶の曖昧だった区間を少し意識してみます。前回何もなかったのではなく、別のことを考えていて目に留まらなかったのかもしれません。新しく気付いたものを、以前から見ていたように記録し直さず、今回の発見として追加します。
こうして二回分を並べると、街の変化と自分の注意の変化を分けて考えやすくなります。目印の数を増やすことが目的ではありません。何を覚え、何を覚えていなかったのかを、落ち着いて確かめるための小さな散歩帳です。

