広場で景色を見たはずなのに、帰ってから思い出すのは遠くの建物だけ。そんなときは、眺めを三つの距離に分けてみると、普段の注意の向きに気づけます。たくさんのものを覚えるためではなく、一つの場所を少し丁寧に見る練習です。
動かずに三つの場所を見る
安全で邪魔にならない場所に止まり、遠くに見えるもの、中ほどにあるもの、近くの足元を順番に眺めます。それぞれから一つだけ選び、短い名詞と特徴を書きます。遠くの屋根は重なっている、中ほどの柵は途切れている、足元の敷石は色が違う、といった記録です。
遠景と中景の境界を正確なメートルで決める必要はありません。この練習では、自分がどのくらい離れた場所に注意を向けたかが分かれば十分です。実測していない距離を数字として書かないようにします。
視線の順番を変える
次は足元から遠くへと順番を逆にしてみます。最初に見たものが変わると、その後の眺めの印象も変わるでしょうか。変化がなければ、それもその日の観察です。毎回発見があるように文章を飾る必要はありません。
足元を見ることに集中して歩き続けるのではなく、見る時間と移動する時間を分けます。人や自転車の流れが変わったら、メモより周囲への注意を優先します。
一枚の地図に詰め込まない
三つの記録は、縦に並べるだけでも読み返せます。配置を描くなら、簡単な枠の中に遠いものを上、近いものを下へ置く程度で構いません。これは案内図でも、正確な遠近図でもないと分かる形にします。
気づきを地図に残す方法と組み合わせると、どこで何を見たかに加えて、どの距離を見ていたかも残ります。記録の横に立ち止まった場所も短く添えておきます。見慣れた景色の中で、自分の視線の癖を探してみましょう。

