散歩のあとに絵を描こうとすると、出発から帰宅までを正しい順に並べたくなることがあります。しかし、道順の記録と、印象をまとめる絵は別の仕事です。今回は案内図ではない一枚を作ってみましょう。
手帳に残った気づきから、形が気になったものを三つ選びます。丸い看板、細い屋根、広場の四角い空白など、互いに離れた場所にあってもかまいません。人の顔や個人宅の情報は使わずに進められます。
紙の上では、実際の距離に縛られず配置します。ただし、あとから自分や他の人が道案内と取り違えないよう、「散歩の印象を組み合わせた絵」と一言添えます。想像で加えた形があれば、そのことも残しておきます。
三つ描いたら、いちばん説明に頼っている形を一つ外してみます。二つだけになったとき、余白がどのように見えるかを比べます。情報を減らすことで、その日の印象がかえって見えやすくなる場合もあります。
完成した絵に、地名ではなく観察の題名を付けてみましょう。「細い線の多い午後」のように、自分の注意の向きを示す言葉が使えます。
正確な経路を残したい日は、別に地図や文章を用意すれば十分です。一枚の紙にすべての役割を負わせないことで、記録と想像の両方を楽しめます。
画像はサイト内の編集用イラストです。本文で扱う作品・資料や実験結果の記録写真ではありません。

